退職して2カ月がたち、先日前職の上司と食事に行く機会があったので、この機会に前職のコンサル会社で2年間働いて得られたものを整理しておこうと思う。
もし、この記事を新卒就活者、コンサル会社に転職を考えている人の参考になれば、嬉しい。
しかし、結論を先に伝えると、コンサル会社に2年勤めたぐらいでは、THEコンサル力はつかない。
とはいえ、ビジネスマンとしての素地、コンサルとして重要なことは学べたと思うので、最後まで読んでほしい。(;'∀')
前職での職歴
入社まで
- 大学卒業後、新卒で入社
- 中小企業の経営支援を行っている上場企業
- 関西支社に配属
- 志望動機は、選考で出会った方にあこがれて
1年目
- 4~5月 リモート研修(コロナ)
- 6~11月 新規営業研修(テレアポ、新規営業同行、単独営業活動)
- 12~3月 コンサル・アシスタント職(資料作り、現場同行)
2年目
- 4月~ 顧客を持ち、単独活動(担当20社スタート)
- 4月~ 月2件ペースで担当顧客増加
- 6月~ 新規プロジェクト参加
- 12月~ 会社に退職の意向伝える
- 1月~ 顧客引き継ぎ
- 3月 退職
前職で得たもの
ビジネスマナー
名刺の渡し方
1年目は、基本的に新規営業をやっていた。テレアポをして、先輩と同行して、商談をするという具合。月に10~20件ぐらいはアポが取れたので、現場に出て2カ月目には名刺の渡し方は、自然とできるようになった。
電話、メールのやり方
約1年の新規営業活動を通して、電話での話し方が改善されたかはわからない。テレアポをすると、8割近く相手に嫌な反応をされるので、いかに気にせず要件を伝えるか、の胆力は鍛えられたかもしれない。
メールの送り方については、パワポで生データを送ってしまうという大きな失敗をしたことが1度ある。当時の支社のトップに直々にお叱りを受け、支社全体にも「PDF化してお客様に送ること」という主旨のメールが流れる引き金となった。厳密には、PDFでも編集は可能だが、簡単に編集ができてしまう生データでファイルの受け渡しをすることのビジネス的なリスクをその時、身をもって体験した。
営業力(基礎)
営業の本質
営業の本質は、「量」。新規営業をしているときは、どの先輩にも「営業は量」という主旨のアドバイスをいただいた。アポが取れず、自分の話し方や伝え方が悪いのではないかといろいろと考えるときもあったが、ある時から、「とりあえず、数をこなそう」という発想の転換に至り、数字もついてくるようになった。(いつもではないが。)誰よりも架電数を、というモチベーションで営業電話をかけまくったのは、今では良い思い出。
テレアポ
最初は、電話越しの相手に「断られる」「拒否される」「怒られる」ことが怖く、電話をかけるのが嫌で仕方なかった。しかし、毎日のように電話をかける日々を1カ月も送っていると、否定されることに慣れて何も感じなくなってくる。(慣れとは恐ろしい・・・)
しかし次は、ただかけるのはつまらないと感じ始める。テレアポの目的は、「アポを取ること」だが、途中から相手との会話を楽しむことを目的とし始める。周りは、長くても5分ほどで通話を終えるが、僕は意気投合する相手とは30分近く話していることもあった。長々と話すことは無駄ではなく、成約率は結構高かった。そんなつもりはなかったが、電話で関係構築ができていたのだと思う。
ヒアリング力
現場で商談をしてみると、ヒアリングが全くできていないと数千回指摘された。事前に質問事項を作りこむタイプだったのが災いしてか、先輩からはよく「尋問しているみたい」と指摘をいただいた。これも数をこなすことで、自然と会話ができるようになった。
プレゼン力
前職の会社では、研修体制がしっかりとしていたので、毎日先輩相手にロープレをしていただいた。これもヒアリングと同じで、最初は機械的で眠くなると言われた。ロープレの試験に合格しないと現場に出られないという制度があり、合格をもらうまで1回1時間弱のロープレを150回はやった。(正確な数字ではない)
ビジネスの基礎知識
収益構造の理解
いろいろな業種業態の会社を見させてもらったおかげで、業種から収益構造を想像することができるようになった。初めのうちは、いわゆるビジネスモデルをノートに書き、先輩に答え合わせをしてもらっていた。
経営の5大資源
利益を最大化するカギは、ヒト・モノ・カネ・情報・時間を最適化することが重要であることを学んだ。実際、新規営業の商談でも、担当を持たせてもらった初回などでは、経営の5大資源について徹底的に把握するように指導を受けた。クライアントが中小企業だったので、5大資源がボロボロであるという現状も多く目にした。
仕事に対する考え方
自力より全力
「自力より全力を使え」は、前職のトップがよく口にしていた言葉。ビジネスはチーム戦であるから、限られた自力をフルに使うこと以上に、周りの全力をうまく使って仕事をしろ、という意味の言葉。これは、コンサルに限らずすべての仕事をする者にとって重要な金言だなと思う。
量が大切
先ほどの営業力のところも書いたが、結局量がものを言うことを痛感した。これは悪しき文化でもあったが、前職では長時間労働が当たり前になっていた。建前では、就業時間を過ぎると、「早く帰れよ」と若手には言っていたが、管理職の人たちはいつ帰っているのかもわからないぐらい、常にオフィスに残っていた。
そんな人たちがいるから、安定して利益を出せているのだから、量は大切なんだなと思った。
まとめ
営業色強めの会社であったこと、実質コンサル職は1年ちょっとしかやらなかったことから、THEコンサル力がついたという実感はない。しかし、「結論を先に言うこと」「主観でものを言わないこと」などは諸先輩がたのおかげで、いまも体に染みついていて、ビジネスマンとしての素地は作っていただいたなと感じている。